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脳梗塞後に認知症は増える?重症度で変わるリスクを沖縄県那覇市の神経内科専門医・脳卒中専門医が解説
脳梗塞というと、
「手足のまひ」や「言葉の障害」を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし実際には、脳梗塞のあとに
「もの忘れ」や「判断力の低下」が起こることも
非常に重要な問題です。
「退院後は元気に見えるのに、なんとなく以前と違う」
「会話や段取りがうまくいかなくなった」
このような変化に気づくご家族も少なくありません。
では、脳梗塞の重さによって、
認知症になるリスクは変わるのでしょうか。
【脳梗塞と認知症リスク 軽症でも油断できない理由】
今回の研究では、4万人以上を長期間追跡し、
脳梗塞を起こした人と起こしていない人を比較しました。
その結果、脳梗塞を起こした人は、
認知症になるリスクが明らかに高くなっていました。
特に重要なのは「重症度」です。
・軽い脳梗塞 → 認知症リスク 約2倍
・中等度 → 約3倍以上
・重症 → 約5倍以上
このように、脳梗塞が重いほど、
認知症のリスクは大きく上がることが分かりました。
ただし、ここで見逃してはいけないポイントがあります。
それは、軽い脳梗塞でもリスクが上がるという点です。
「症状が軽かったから大丈夫」と思っていても、
脳の中では認知機能に関わる部分が
ダメージを受けている可能性があります。
そのため、数ヶ月〜数年後に
ゆっくりと認知機能が低下してくることがあります。
【どんな能力が低下する?記憶だけではない変化】
脳梗塞後の認知機能低下は、
単なる「もの忘れ」だけではありません。
今回の研究では、主に3つの能力が評価されました。
① 全体的な認知機能
② 記憶力
③ 実行機能(段取りや判断力)
特に重要なのが「実行機能」です。
これは、
・計画を立てる
・順番を考える
・同時に複数のことを行う
といった、日常生活に欠かせない能力です。
たとえば、
「料理の手順が混乱する」
「薬の飲み方を間違える」
「買い物の管理ができない」
といった変化は、実行機能の低下が原因です。
研究では、脳梗塞の重症度が高いほど、
これらすべての機能が速く低下することが
はっきりと示されました。
つまり、脳梗塞は
「体の病気」だけでなく
「脳の働き全体に影響する病気」なのです。
【認知機能低下を防ぐために今できること】
では、脳梗塞後の認知機能低下を防ぐには
どうすればよいのでしょうか。
まず最も重要なのは、
脳梗塞を起こさないこと、そして重症化させないことです。
そのためには、以下の管理が不可欠です。
・高血圧
・糖尿病
・脂質異常症
・肥満
・喫煙
・心房細動(不整脈)
特に血圧は最も重要な因子です。
次に大切なのは、
脳梗塞後のフォローアップです。
退院後は、
「体が動くかどうか」だけでなく、
「考える力が保たれているか」を
継続して確認する必要があります。
また、生活習慣も重要です。
・適度な運動
・バランスの良い食事
・十分な睡眠
・人との交流
・読書や会話
これらはすべて、脳の働きを守るために
役立つと考えられています。
さらに、ご家族の気づきも重要です。
本人は変化に気づきにくいことが多いため、
「少し変わったかも」という違和感を
大切にしてください。
【まとめ】
脳梗塞のあとには、
見た目では分かりにくい「認知機能の低下」が
起こることがあります。
そして今回の研究では、
脳梗塞が重いほど、
認知症のリスクや認知機能低下が
強くなることが明らかになりました。
一方で、軽い脳梗塞でも安心はできません。
脳梗塞後は、
再発予防だけでなく、
認知機能の変化にも目を向けることが重要です。
早期に気づき、適切に対応することで、
生活の質を保つことにつながります。
【当院からのお知らせ】
那覇市・浦添市・沖縄県で、脳梗塞後のもの忘れ、
認知機能低下、認知症、再発予防でお困りの方は
シーサー通り内科リハビリクリニックへご相談ください。
神経内科専門医が、
脳梗塞後の後遺症だけでなく、
認知機能の変化まで丁寧に評価し、
リハビリと合わせてサポートいたします。
【引用】
Koton S, Gross AL, Aparicio HJ, et al.
Ischemic Stroke Incidence and Severity and Poststroke Cognitive Decline and Incident Dementia.
JAMA Network Open. 2026;9(4):e268900.
https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2026.8900
