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一般内科消化器生活習慣病(高血圧・糖尿病など)

肝機能・肥満・飲酒量が気になる方へ|那覇市の内科専門医が最新研究を解説

お酒を減らしたい方へ

肥満と飲酒に関する最新研究をわかりやすく解説

「お酒を減らしたいけれど、なかなか減らせない」
「健康診断で肝機能を指摘された」
「体重も増えてきて、このままでよいのか不安」

このようなお悩みは、決して珍しくありません。

飲酒は楽しみや人付き合いの一部になることもありますが、
量が増えすぎると、肝臓、血圧、血糖、脂質、睡眠、脳の健康に
少しずつ影響を与えることがあります。

特に、肥満を伴う方では、脂肪肝、糖尿病、高血圧、
脂質異常症などが重なりやすくなります。

最近、体重を減らす薬として知られるセマグルチドが、
飲酒量を減らす可能性について注目されています。

今回は、2026年にLancetに掲載された研究をもとに、
お酒、肥満、生活習慣病の関係をやさしく解説します。

【アルコール使用障害とは?飲酒量が増えるサイン】

アルコール使用障害とは、簡単にいうと、
お酒の量や飲む頻度を自分で調整しにくくなる状態です。

昔は「アルコール依存症」という言葉がよく使われましたが、
現在はより幅広く「アルコール使用障害」と表現されます。

たとえば、飲む量を減らそうとしても減らせない、
飲み始めると予定より多く飲んでしまう、
飲酒のために仕事や家庭に支障が出る場合は注意が必要です。

また、健康診断で肝機能異常を指摘されても飲酒が続く、
休肝日を作れない、朝から飲みたくなる場合も要注意です。

大切なのは、「意志が弱い」と責めないことです。

アルコール使用障害は、脳の報酬系という仕組みが関係します。

報酬系とは、楽しい、気持ちよい、またやりたいと感じる
脳の回路のことです。

飲酒が習慣化すると、この回路が強く働き、
「飲みたい」という欲求が出やすくなります。

そのため、飲酒の問題は、根性だけで解決するものではありません。

生活習慣、睡眠、ストレス、体重、肝機能、血糖などを含めて、
医療として総合的に見直すことが大切です。

【セマグルチドと飲酒量|最新研究でわかったこと】

2026年にLancetで発表された研究では、
肥満を合併したアルコール使用障害の方が対象となりました。

研究に参加したのは108人です。

対象者は18〜70歳で、BMI30以上の肥満があり、
中等度から重度のアルコール使用障害がある方でした。

BMIとは、身長と体重から計算する体格の目安です。

この研究では、参加者を2つのグループに分けました。

一方はセマグルチドを週1回注射するグループ、
もう一方はプラセボを使うグループです。

プラセボとは、有効成分を含まない比較用の薬です。

どちらのグループも、認知行動療法を受けています。

認知行動療法とは、飲みたくなる状況や考え方を見直し、
飲酒を減らす行動を身につける治療です。

結果として、26週間後、セマグルチドを使ったグループでは、
大量飲酒日がより大きく減少しました。

大量飲酒日とは、短期間に多くのお酒を飲む日のことです。

研究では、セマグルチド群で大量飲酒日が41.1ポイント減少し、
プラセボ群では26.4ポイントの減少でした。

つまり、セマグルチド群の方が飲酒量の減少が大きかったのです。

さらに、30日あたりの総アルコール摂取量、
飲酒欲求、飲酒問題を評価する点数も改善しました。

体重、腹囲、血糖の指標も改善していました。

ただし、この研究だけで「お酒を減らす薬として誰にでも使える」
と考えるのは早すぎます。

対象はBMI30以上の肥満がある方に限られていました。

肥満がない方に同じ効果があるかは、まだわかっていません。

また、日本での適応や保険診療上の扱いとは別問題です。

現時点では、肥満と飲酒の問題を一緒に考えるうえで、
とても重要な研究と考えるのがよいでしょう。

【肥満・肝機能・生活習慣病を一緒に見直す】

お酒の問題は、肝臓だけの問題ではありません。

飲酒量が多い状態が続くと、脂肪肝、肝炎、肝硬変だけでなく、
高血圧、糖尿病、脂質異常症、睡眠障害にも関係します。

さらに、脳卒中、認知機能低下、転倒、うつ症状などにも
影響することがあります。

特に沖縄では、食事、飲酒、運動不足、肥満、生活習慣病が
重なりやすい方も少なくありません。

「肝機能だけ少し高いから様子を見よう」と放置すると、
血圧、血糖、脂質、内臓脂肪の問題が進んでいることもあります。

そのため、飲酒量が気になる方は、肝機能だけでなく、
血糖、脂質、尿酸、腎機能、血圧、体重も一緒に確認しましょう。

必要に応じて、腹部エコーやCTで脂肪肝、内臓脂肪を確認することも
健康管理に役立ちます。

また、急にお酒をやめると危険な場合があります。

長期間多量に飲酒している方では、急な断酒により、
手の震え、発汗、不眠、動悸、不安、けいれんが出ることがあります。

このような症状を離脱症状といいます。

飲酒量が多い方は、自己判断で急にやめるより、
医療機関に相談しながら安全に減らすことが大切です。

お酒を減らす第一歩は、完璧な断酒ではなく、
自分の飲酒量を知ることからでも十分です。

飲んだ量を記録する、休肝日を決める、家にお酒を置きすぎない、
睡眠を整える、運動を始めることも大切です。

体重が減り、血圧や血糖が改善すると、
飲酒量を見直す意欲も高まりやすくなります。

今回の研究は、肥満、飲酒、脳の報酬系、生活習慣病が、
互いに関係していることを改めて示した内容といえます。

まとめ

セマグルチドは、肥満を伴うアルコール使用障害の方で、
大量飲酒日や総飲酒量を減らす可能性が示されました。

ただし、現時点では対象がBMI30以上の方に限られており、
すべての方に使える治療と考える段階ではありません。

お酒を減らしたい方、肝機能が気になる方、肥満や生活習慣病が
心配な方は、早めに体全体をチェックすることが大切です。

飲酒、体重、血圧、血糖、脂質、睡眠をまとめて整えることが、
将来の肝臓病、脳卒中、心筋梗塞の予防につながります。

当院からのお知らせ

那覇市・浦添市・沖縄県で、飲酒量、肝機能異常、脂肪肝、肥満、
高血圧、糖尿病、脂質異常症でお困りの方は、
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当院では、内科・脳神経内科・リハビリの視点から、
血液検査、画像検査、生活習慣指導、運動療法を組み合わせます。

無理なく続けられる健康管理を一緒に考え、
肝臓、血管、脳を守る医療を目指しています。

引用情報

Klausen MK, et al.
Once-weekly semaglutide versus placebo in patients with alcohol use disorder
and comorbid obesity: a randomised, double-blind, placebo-controlled trial.

The Lancet. 2026;407:1687–1698.