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食後血糖が高いと認知症リスク?最新研究を沖縄県那覇市・浦添市の認知症専門医・総合内科専門医がわかりやすく解説
「血糖値が高いと糖尿病が心配」と考える方は多いと思います。
しかし最近は、血糖と脳の健康、認知症との関係も注目されています。
今回ご紹介する研究は、2026年に発表されたUK Biobank研究です。
血糖、インスリン、脳の画像、認知症リスクの関係を調べています。
UK Biobankとは、英国の大規模な健康データベースです。
この研究では最大35万7883人の白人英国人データが解析されました。
特に注目されたのは「食後2時間血糖」です。
これは食事や糖をとった後、2時間たった時点の血糖値の目安です。
【食後血糖と認知症|アルツハイマー病リスクとの関係】
研究では、遺伝情報を使う「メンデルランダム化」という方法が使われました。
これは、生まれつきの遺伝的傾向を利用して病気との関係を調べる方法です。
通常の観察研究では、食事、運動、体重、生活環境などが結果に影響します。
メンデルランダム化は、そうした影響を減らしやすい点が特徴です。
結果として、食後2時間血糖が高い遺伝的傾向は、
アルツハイマー病リスク上昇と関連していました。
具体的には、UK Biobank内ではアルツハイマー病リスクが
約69%高いという結果でした。
一方で、空腹時血糖、空腹時インスリン、インスリン抵抗性では、
認知症との明らかな関連は示されませんでした。
インスリン抵抗性とは、血糖を下げるインスリンが効きにくい状態です。
肥満や運動不足、糖尿病予備群でよく問題になります。
この研究の大切な点は、空腹時血糖だけでなく、
「食後に血糖が上がりすぎる状態」にも注目したことです。
【脳画像との関係|脳の萎縮だけでは説明できない可能性】
この研究では、脳MRI画像との関係も調べられました。
MRIとは、磁力を使って脳の形や状態を見る検査です。
調べられたのは、脳全体の体積、海馬の体積、
白質病変と呼ばれる脳の小さな血管変化です。
海馬は、記憶に深く関係する脳の場所です。
アルツハイマー病では、海馬の萎縮がみられることがあります。
白質病変は、加齢や高血圧、糖尿病などと関係し、
脳の細い血管のダメージを反映することがあります。
しかし今回の研究では、食後血糖や空腹時血糖などと、
脳全体、海馬、白質病変の体積に明らかな関連はありませんでした。
つまり、食後高血糖と認知症リスクの関係は、
単純に「脳が小さくなるから」とは説明できない可能性があります。
研究者らは、今後アミロイドやタウといった、
アルツハイマー病に関わる物質との関係を調べる必要があるとしています。
アミロイドやタウは、脳にたまる異常なたんぱく質です。
アルツハイマー病の病態を考えるうえで重要な手がかりになります。
ただし注意点もあります。
今回の結果は、別のアルツハイマー病データでは再現されませんでした。
そのため、「食後血糖が高いと必ず認知症になる」という話ではありません。
あくまで、今後さらに確認が必要な重要な研究結果です。
【認知症予防と血糖管理|食後高血糖を防ぐ生活習慣】
では、私たちは何に気をつければよいのでしょうか。
大切なのは、血糖値を点ではなく、流れとして考えることです。
健診では空腹時血糖やHbA1cを見ることが多いです。
HbA1cは、過去1〜2か月の血糖の平均を反映する検査です。
しかし、空腹時血糖やHbA1cが正常でも、
食後だけ血糖が大きく上がる方がいます。
これを「食後高血糖」といいます。
血糖の急上昇が何度も続くと、血管や神経に負担がかかります。
食後高血糖を防ぐには、まず食べ方が大切です。
野菜、たんぱく質、主食の順に食べると血糖上昇が緩やかになります。
甘い飲み物、菓子パン、白米や麺類の大盛り、夜遅い食事は、
血糖が急に上がりやすいため注意が必要です。
運動も効果的です。
食後10〜15分の散歩でも、血糖の上がりすぎを抑える助けになります。
また、睡眠不足やストレスも血糖に影響します。
無理な糖質制限より、続けやすい生活改善が大切です。
糖尿病予備群、肥満、内臓脂肪が多い方、家族に糖尿病がある方は、
一度医療機関で相談すると安心です。
認知症予防は、脳だけを見るのではなく、
血糖、血圧、脂質、運動、睡眠を総合的に整えることが大切です。
当院からのお知らせ
シーサー通り内科リハビリクリニックでは、
内科・脳神経内科・リハビリテーションの視点から、
糖尿病、認知症予防、生活習慣病の管理に力を入れています。
血糖値、HbA1c、脂質異常症、高血圧、内臓脂肪、動脈硬化は、
将来の脳卒中や認知機能低下とも関係します。
当院では、血液検査、生活習慣の確認、運動指導、認知機能の相談、
必要に応じた画像検査を組み合わせて総合的に診療します。
那覇市・浦添市・沖縄県で、糖尿病、食後高血糖、認知症予防、
もの忘れ、生活習慣病、脳の健康でお困りの方は、
シーサー通り内科リハビリクリニックへご相談ください。
引用情報
Mason AC, Fatih N, Sofat R, et al.
Disentangling the relationship between glucose, insulin and brain health:
A UK Biobank study. Diabetes, Obesity and Metabolism. 2026;28:1741-1749.
DOI: 10.1111/dom.70353
