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脂肪肝から肝硬変へ?肝線維化を早期発見する大切さ
気づかない肝臓の硬さ「肝線維化」とは
〜脂肪肝・糖尿病・飲酒がある方は要注意〜
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれます。
多少悪くなっても、痛みやだるさなどの症状が出にくいからです。
そのため、肝臓の病気は気づいた時には進行していることがあります。
特に注意したいのが「肝線維化」です。
肝線維化とは、肝臓に長く負担がかかることで、
肝臓が少しずつ硬くなっていく状態です。
進行すると肝硬変や肝がん、腹水、吐血などの重い病気に
つながることがあります。
今回、医学誌Lancetに掲載されたLiverScreen研究では、
ヨーロッパ9か国、3万人以上を対象に肝線維化が調べられました。
その結果、一般住民の中にも、まだ診断されていない
肝線維化が一定数いることが示されました。
【肝線維化は「症状がない人」にも見つかる】
この研究では、40歳以上の一般住民3万199人を対象に、
肝臓の硬さを測る検査が行われました。
検査にはVCTEという方法が使われました。
これは体の外から肝臓の硬さを調べる検査で、痛みはほとんどありません。
肝臓の硬さはLSMという数値で表されます。
この研究では、8kPa以上を肝線維化の疑いがある目安としました。
結果として、6.9%の人がスクリーニングで陽性となり、
4.6%の人で肝臓の硬さが高い状態でした。
さらに専門医による詳しい診察を受けた人のうち、
慢性肝疾患と肝線維化が確認された人は32%でした。
全体で見ると、診断されていなかった肝線維化は
約1.6%に認められたと推定されています。
数字だけ見ると少なく感じるかもしれません。
しかし、肝線維化は症状が乏しく、進むまで気づきにくい病気です。
だからこそ、早い段階で見つけることが大切です。
【脂肪肝・糖尿病・肥満は肝線維化の重要キーワード】
この研究で特に注目されたのが、代謝の異常です。
代謝とは、食べ物をエネルギーに変えたり、脂肪を処理したりする働きです。
参加者の約70%に、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの
代謝に関係するリスクがありました。
肝臓の硬さが高い人では、肥満、2型糖尿病、
有害な飲酒との関連が強く認められました。
特に2型糖尿病と飲酒量の多さは、肝線維化の重要なサインです。
近年、脂肪肝は「お酒を飲む人だけの病気」ではなくなっています。
食べ過ぎ、運動不足、内臓脂肪、糖尿病でも脂肪肝は起こります。
以前はNAFLDと呼ばれていた病気の多くは、現在では
MASLDという考え方で整理されるようになっています。
MASLDは、肥満や糖尿病など代謝異常に関連する脂肪肝です。
つまり、生活習慣病と肝臓病はとても近い関係にあります。
今回の研究でも、確認された肝線維化の93%は
脂肪肝に関連する肝疾患でした。
健診で「脂肪肝です」「ALTが高いです」と言われた方は、
放置せずに一度リスクを見直すことが大切です。
【肝線維化を早期発見するには生活習慣と検査が大切】
肝線維化の怖い点は、初期には自覚症状がほとんどないことです。
しかし、早く見つければ対策できる可能性があります。
まず大切なのは、体重、血糖、血圧、脂質を整えることです。
特に内臓脂肪が多い方は、肝臓にも脂肪がたまりやすくなります。
飲酒量の見直しも重要です。
「毎日少しだから大丈夫」と思っていても、体質や代謝異常が重なると、
肝臓への負担が大きくなることがあります。
また、血液検査だけでは肝臓の硬さは十分にわからない場合があります。
ALTやASTが軽度の異常でも、肝線維化が隠れていることがあります。
そのため、脂肪肝、糖尿病、肥満、飲酒習慣がある方では、
腹部エコーや肝線維化の評価を組み合わせることが大切です。
日本でも、脂肪肝や生活習慣病の方は増えています。
「肝臓は悪くないはず」と思っている方ほど、
一度立ち止まって確認する価値があります。
肝線維化は、肝硬変になる前に見つけたい病気です。
健康診断の数値をきっかけに、早めの相談につなげましょう。
当院からのお知らせ
那覇市・浦添市・沖縄県で、脂肪肝、肝機能異常、糖尿病、
高血圧、脂質異常症、内臓脂肪が気になる方は、
シーサー通り内科リハビリクリニックへご相談ください。
当院では、内科の視点から生活習慣病を総合的に評価し、
必要に応じて血液検査、画像検査、内臓脂肪評価などを行います。
肝臓だけでなく、脳卒中や動脈硬化、認知症予防も見据えた
全身管理を大切にしています。
引用情報
Graupera I, Thiele M, Castera L, et al.
Prevalence of liver fibrosis in the general population
(the LiverScreen project): a multinational European cohort study.
The Lancet. 2026;407(10537):1448-1458.
DOI: https://doi.org/10.1016/S0140-6736(26)00354-5
