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脂肪肝と血栓症の関係とは?MASLDとエコノミークラス症候群を解説

脂肪肝と血栓症の関係とは?

〜「肝臓の病気」だけで終わらせない大切な視点〜

健康診断で「脂肪肝」と言われたことはありませんか。
脂肪肝は、肝臓に脂肪がたまりすぎた状態です。

以前は「お酒を飲む人の病気」という印象がありました。
しかし最近は、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症などと関係する
「MASLD」という考え方が広がっています。

MASLDとは、代謝の異常に関連した脂肪肝という意味です。
簡単に言えば、生活習慣病と深く関係する脂肪肝です。

近年、このMASLDが血栓症と関係する可能性が報告されています。
血栓症とは、血液のかたまりが血管につまる病気です。

代表的なものに、深部静脈血栓症や肺塞栓症があります。
いわゆる「エコノミークラス症候群」も、この仲間です。

【脂肪肝・MASLDとは?生活習慣病と関係する肝臓のサイン】

MASLDは、肝臓に脂肪がたまり、さらに肥満、糖尿病、
高血圧、脂質異常症などを伴う状態を指します。

世界的には、およそ3人に1人が脂肪肝を持つとされ、
とても身近な病気になっています。

脂肪肝は、初期にはほとんど症状がありません。
そのため、健診の肝機能異常や腹部エコーで見つかることが多いです。

問題は、脂肪肝が「肝臓だけの病気」ではない点です。
動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中、慢性腎臓病とも関係します。

さらに今回の研究では、血液が固まりやすい状態、つまり
血栓症との関連も示されました。

【脂肪肝と血栓症リスク|深部静脈血栓症・肺塞栓に注意】

スウェーデンの全国規模の研究では、肝生検で確認された
MASLDの方11,073人と、一般住民50,078人が比較されました。

中央値18.6年の追跡で、MASLDの方は静脈血栓塞栓症のリスクが
約1.78倍高いという結果でした。

静脈血栓塞栓症とは、足などの静脈に血栓ができる
深部静脈血栓症や、血栓が肺につまる肺塞栓症を含みます。

肺塞栓症は、突然の息切れ、胸痛、動悸、失神などを起こすことがあります。
重症では命に関わるため、早期の気づきが大切です。

また、肝臓に向かう血管である門脈に血栓ができる
門脈血栓症のリスクは、特に高いことが示されました。

研究では、MASLDの方の門脈血栓症リスクは約3.4倍でした。
肝硬変や肝線維化がある方では、より注意が必要です。

なぜ脂肪肝で血栓ができやすくなるのでしょうか。
背景には、インスリン抵抗性、慢性炎症、血液凝固の異常が考えられます。

インスリン抵抗性とは、血糖を下げるホルモンが効きにくい状態です。
糖尿病や肥満、脂肪肝の土台になる重要な変化です。

【脂肪肝対策と血栓予防|体重・血糖・血圧を整える】

脂肪肝があるからといって、すぐに血栓症になるわけではありません。
大切なのは、リスクを知り、できる対策を続けることです。

まず重要なのは体重管理です。
体重を3〜5%減らすだけでも、肝臓の脂肪は改善しやすくなります。

食事では、甘い飲み物、菓子類、夜遅い食事、過度な飲酒を控えましょう。
主食、たんぱく質、野菜をそろえた食事が基本です。

運動も大切です。
ウォーキング、軽い筋トレ、階段利用などを無理なく続けましょう。

糖尿病、高血圧、脂質異常症がある方は、数値を放置しないことが重要です。
これらは脂肪肝だけでなく、脳卒中や心筋梗塞にも関係します。

血栓症のサインにも注意しましょう。
片足のむくみ、ふくらはぎの痛み、急な息切れ、胸痛がある場合は、
早めの医療機関受診が必要です。

特に、長時間の移動、手術後、入院中、がん治療中、脱水時は注意が必要です。
こまめな水分摂取や足の運動も予防に役立ちます。

脂肪肝は、肝臓からの「生活習慣を見直すサイン」です。
肝臓だけでなく、血管、血糖、血圧、体重を総合的に見ることが大切です。

シーサー通り内科リハビリクリニックでは、脂肪肝、糖尿病、
高血圧、脂質異常症、動脈硬化の評価に力を入れています。

血液検査、腹部エコー、CT、内臓脂肪評価、動脈硬化評価などを組み合わせ、
脳卒中・心筋梗塞・血栓症の予防を意識した診療を行います。

那覇市・浦添市・沖縄県で、脂肪肝、肝機能異常、生活習慣病、
血栓症リスクが心配な方は、シーサー通り内科リハビリクリニックへ
お気軽にご相談ください。

引用情報

Yuan S, Ebrahimi F, Forss A, et al.
Incident venous thromboembolism in biopsy-proven metabolic dysfunction-associated
steatotic liver disease: a nationwide cohort study.

Journal of Thrombosis and Haemostasis. 2026.
DOI: 10.1016/j.jtha.2026.04.019