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一般内科認知症骨粗鬆症

骨粗しょう症の薬で認知症が減る?

最新研究を沖縄県那覇市の認知症専門医がわかりやすく解説

骨粗しょう症は、骨がもろくなり、
骨折しやすくなる病気です。特に高齢女性に多く、
寝たきりの原因にもなる重要な病気です。

一方、認知症も年齢とともに増える病気で、
物忘れや判断力の低下により、日常生活に
支障が出てしまうことがあります。

最近、この2つの病気に
「意外なつながり」があるのではないかと
注目されています。

今回ご紹介する研究では、
骨粗しょう症の治療薬が
認知症リスクに影響する可能性があることが
示されました。

難しそうに見えるテーマですが、
できるだけわかりやすく解説していきます。

【骨粗しょう症と認知症の関係 実はつながっている】

骨と脳は、一見まったく関係ないように
思えるかもしれません。

しかし近年の研究では、
骨の代謝と脳の働きには
共通する仕組みがあることがわかってきました。

その一つが「Wnt(ウント)シグナル」という
体の中の情報伝達システムです。

これは細胞の成長や働きを調整する仕組みで、
骨を作るだけでなく、脳の神経細胞の維持にも
関係していると考えられています。

つまり、骨の状態が
脳の健康にも影響している可能性があるのです。

実際に、骨粗しょう症のある人は
認知症のリスクが約1.5倍になるという
報告もあります。

このため、「骨を守ること」が
「脳を守ること」につながる可能性が
注目されています。

【ロモソズマブとは?認知症との関係】

今回の研究で注目された薬が
「ロモソズマブ」です。

ロモソズマブは、
骨の形成を促進する新しいタイプの薬で、
骨密度を大きく改善する効果があります。

この薬は「スクレロスチン」という
骨の形成を抑える物質の働きをブロックします。

この仕組みが、実は脳にも関係しています。

スクレロスチンが増えると、
脳の神経に悪影響を与える可能性があり、
記憶力の低下や認知症に関係するとも
考えられています。

つまりロモソズマブは、
骨だけでなく、脳にも良い影響を
与える可能性がある薬なのです。

【最新研究の結果 認知症リスクはどうなった?】

今回の研究では、日本の約7万人のデータを使い、
2つの薬が比較されました。

・ロモソズマブ
・テリパラチド(従来の骨粗しょう症治療薬)

その結果、ロモソズマブを使用した人のほうが、
認知症の発症が少ない傾向がありました。

具体的には、1年間の比較で

・ロモソズマブ:3.2%
・テリパラチド:4.2%

と、約1%ほど低い結果でした。

アルツハイマー病に限っても、
同様にリスクが低い傾向がみられました。

ただし、2年間のデータでは
差がはっきりしない部分もあり、
「確実に予防できる」とまでは
言えない結果でした。

【この研究のポイント 過度な期待は禁物】

今回の研究は非常に重要ですが、
いくつか注意点があります。

まず、この研究は
「観察研究」と呼ばれるもので、
実際の診療データを後から解析したものです。

そのため、患者さんの体の状態や生活習慣など、
完全に同じ条件で比較できているわけではありません。

また、ロモソズマブは
通常1年間しか使用しない薬であり、
長期的な影響はまだ十分にわかっていません。

さらに、認知症の診断も
データ上の記録をもとにしているため、
見逃しや誤差が含まれる可能性があります。

つまり今回の結果は、

「ロモソズマブの方が
 認知症リスクが低い可能性がある」

という段階であり、
今後の研究で確認が必要です。

【これから大切な考え方 骨と脳を同時に守る】

今回の研究から見えてくる大切なポイントは、
「骨と脳は別々ではない」ということです。

高齢になると、

・骨折
・転倒
・認知機能低下

が同時に進むことが多くなります。

そのため、

・骨粗しょう症の治療
・運動
・栄養
・脳の健康管理

を一体として考えることが重要です。

特に骨折は、寝たきりや認知症悪化の
きっかけになることもあるため、
予防が非常に重要です。

今後は、「骨の治療=全身の健康管理」という
考え方がさらに広がっていくと考えられます。

当院からのお知らせ

骨粗しょう症、転倒しやすさ、ふらつき、
物忘れなどの症状は、年齢のせいだけでなく、
治療や予防ができる場合も多くあります。

シーサー通り内科リハビリクリニックでは、
内科・脳神経内科・リハビリの専門的な視点から、
骨粗しょう症と認知症を含めたトータルケアを行っています。

那覇市・浦添市・沖縄県で、
骨粗しょう症、認知症、歩行障害、転倒予防、
リハビリでお困りの方は、
シーサー通り内科リハビリクリニックへご相談ください。

引用情報

Hatano M, Okada A, Sasabuchi Y, et al.
Romosozumab versus teriparatide for risk of dementia in individuals with osteoporosis: a target trial emulation study.
Osteoporosis International. 2026.
https://doi.org/10.1007/s00198-026-08026-1