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認知症予防は食事から|アルツハイマー病リスクが高くても食生活で変えられる可能性を那覇市・浦添市の認知症専門医・認知症予防専門医が解説

認知症予防は食事から|アルツハイマー病の変化があっても遅くない?

「家族に認知症の人がいるので心配」「最近、物忘れが増えてきた」
このような不安を感じている方は少なくありません。

認知症には年齢や遺伝的な体質など、自分では変えられない要因があります。
一方で、食事や運動、睡眠、生活習慣病は見直すことができます。

2026年にJAMA Network Openへ掲載された研究では、血液検査で
アルツハイマー病などのリスクが高い人でも、質の高い食生活が
認知症の発症リスク低下と関連している可能性が示されました。

特に注目されたのが、体内の慢性的な炎症を起こしにくい食事です。
「脳の変化が始まっていたら、食事を変えても遅い」という考えを、
見直すきっかけとなる研究結果です。

【認知症予防と食事|1,865人を最長15年間追跡した研究】

この研究では、スウェーデンに住む60歳以上の認知症ではない
1,865人を対象に、平均8.4年間、最長約15年間追跡しました。

参加者の平均年齢は70.5歳で、研究期間中に240人が認知症を発症し、
そのうち125人がアルツハイマー型認知症と診断されました。

研究では、食事の内容だけでなく、血液中のp-tau217、NfL、GFAPという
脳の変化や神経細胞の傷害に関連する指標も測定しています。

p-tau217は、アルツハイマー病に伴うアミロイドやタウの蓄積を
推測するために注目されている血液バイオマーカーです。

NfLは神経細胞の傷み、GFAPは脳内で神経を支える細胞の反応を
反映する指標です。ただし、これだけで認知症を確定するものではありません。

食生活については、地中海食、健康的な食事の評価指標、
炎症を起こしにくい食事という3つの食事パターンが検討されました。

その結果、健康的な食生活を続けている人ほど、全体として
認知症の発症リスクが低い傾向が認められました。

さらに重要なのは、血液バイオマーカーが高く、すでに認知症のリスクが
高いと考えられる人でも、炎症を起こしにくい食事との関連がみられた点です。

【炎症を抑える食事|脳を守るために増やしたい食品】

研究で特に一貫した関連が認められたのは、炎症を起こしにくい
食事パターンでした。炎症とは、体を守る免疫反応の一つです。

しかし、弱い炎症が長期間続くと、動脈硬化や糖尿病だけでなく、
脳の神経細胞にも悪影響を及ぼす可能性があります。

脳を守る食事の基本は、特定の食品だけを大量に食べることではなく、
日々の食事全体を少しずつ整えていくことです。

積極的に取り入れたいのは、野菜、果物、豆類、魚、海藻、きのこ類、
ナッツ類、全粒穀物、オリーブ油などの植物性油脂です。

魚に含まれる不飽和脂肪酸や、野菜・果物に含まれるポリフェノールは、
酸化ストレスや炎症を抑える働きが期待されています。

沖縄の食材では、ゴーヤー、島野菜、海藻、豆腐、魚なども活用できます。
ただし、塩分や調理油の量には注意が必要です。

一方、加工肉、脂身の多い肉、菓子パン、清涼飲料水、揚げ物、
砂糖の多いお菓子などは、毎日続けて取り過ぎないことが大切です。

「これを食べれば認知症にならない」という食品はありません。
主食・主菜・副菜をそろえ、多種類の食品を食べることが基本です。

【アルツハイマー病予防|食事だけに頼らない総合的な対策】

今回の研究は、食事内容と認知症発症の関連を調べた観察研究です。
食事を変えれば必ず認知症を防げると証明したものではありません。

食生活が良い人は、運動習慣や社会参加、健康への意識など、
食事以外の生活習慣も良好である可能性があります。

また、研究参加者はスウェーデンの都市部に住む比較的教育歴の高い
高齢者が中心であり、日本人にそのまま当てはまるとは限りません。

それでも、脳の変化を示す血液指標が高い人にも関連が認められたことは、
認知症予防を考えるうえで希望の持てる結果です。

認知症予防では、食事に加えて、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満、
喫煙、運動不足、難聴、睡眠不足への対策も重要です。

特に高血圧や糖尿病、LDLコレステロールの高値は、脳梗塞だけでなく、
認知機能の低下にも関係するため、早期からの管理が欠かせません。

物忘れが気になる場合は、自己判断でサプリメントを始めるのではなく、
まず医療機関で原因を確認することをおすすめします。

認知症以外にも、睡眠不足、うつ状態、甲状腺機能の異常、薬の副作用、
ビタミン不足などによって、物忘れが目立つことがあります。

【よくある質問|認知症予防と食事のQ&A】

Q.認知症予防には、どのような食事がよいですか?

A.野菜、果物、魚、豆類、海藻、きのこ、ナッツを取り入れ、
加工肉、清涼飲料水、菓子類、揚げ物を取り過ぎない食事が基本です。

Q.物忘れが始まってから食事を変えても遅いですか?

A.遅いとは限りません。今回の研究では、脳の変化に関連する血液指標が
高い人でも、炎症を起こしにくい食事と認知症リスク低下が関連しました。

Q.地中海食をそのまま取り入れる必要がありますか?

A.完全に同じ食事にする必要はありません。和食や沖縄の食材を活用し、
野菜、魚、豆腐、海藻を増やす方法でも取り組めます。

ただし、沖縄そばの汁、加工肉、漬物などは塩分が多くなりやすいため、
量や食べる頻度に注意しましょう。

Q.サプリメントを飲めば認知症を予防できますか?

A.特定のサプリメントだけで認知症を予防できるという十分な根拠は
確立していません。まずは毎日の食事全体を見直すことが大切です。

Q.認知症の血液検査だけで診断できますか?

A.血液バイオマーカーは急速に進歩していますが、血液検査だけで
認知症を確定するわけではありません。

問診、認知機能検査、神経学的診察、画像検査などを組み合わせて、
専門医が総合的に判断します。

【那覇市・浦添市で物忘れや認知症が心配な方へ】

シーサー通り内科リハビリクリニックでは、内科・脳神経内科・
リハビリテーションの視点から、物忘れや認知症の相談に対応しています。

認知症専門医が、認知機能だけでなく、高血圧、糖尿病、脂質異常症、
睡眠障害、運動不足など、脳の健康に関わる要因を総合的に評価します。

「年齢のせいだと思っていた」「受診するほどではないかもしれない」と
迷っている段階でも、早めに状態を確認することが大切です。

那覇市・浦添市・沖縄県で、物忘れ、軽度認知障害、認知症予防、
生活習慣病の管理についてお困りの方は、当院へご相談ください。

参考文献・引用情報

Mrhar A, Carballo-Casla A, Grande G, et al.
Diet Quality and Dementia Risk in Older Adults With Alzheimer Pathology.
JAMA Network Open. 2026;9(6):e2620254.
https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2026.20254

Charisis S, Yannakoulia M, Scarmeas N.
Diets to Promote Healthy Brain Ageing.
Nature Reviews Neurology. 2025;21:5-16.
https://doi.org/10.1038/s41582-024-01036-9

Livingston G, Huntley J, Sommerlad A, et al.
Dementia Prevention, Intervention, and Care: 2020 Report of the Lancet Commission.
The Lancet. 2020;396:413-446.
https://doi.org/10.1016/S0140-6736(20)30367-6