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高齢者の肺炎・入院リスクを減らす!最新のRSウイルスワクチン情報まとめ
【RSウイルスワクチン】高齢者を守る新たな予防接種、その効果と必要性とは?
RSウイルス感染症とは?高齢者でも重症化する見逃せない疾患
RSウイルス(RSV)は、かつては乳幼児の感染症として知られていました。
しかし近年、60歳以上の高齢者にとっても重症化しやすいウイルスであることが明らかになってきました。
日本では、RSVによる高齢者の感染者は年間約70万人、このうち約6万人が入院し、約4,500人が死亡していると推定されています。
特に、心臓や肺の持病がある方、糖尿病や腎臓病の方、免疫力の低下している方は重症化リスクが高く、肺炎や呼吸不全に至るケースもあるのです。
高齢者向けRSウイルスワクチンの効果と種類
2024年、日本で初めてRSウイルスワクチン(アレックスビー筋注用)が60歳以上向けに承認・発売されました。
このワクチンは「組換えRSV融合前Fタンパク質ワクチン」と呼ばれ、RSウイルスの下気道感染症の発症を防ぐことが目的です。
グラクソ・スミスクライン社の国際共同第Ⅲ相試験(24,967名対象)では、次のような結果が報告されています:
- 有効率:82.6%(RSVによる下気道疾患の発症を大幅に減少)
- 効果は少なくとも1シーズン(約1年)持続
- 接種は1回のみでOK
- 副反応は注射部位の痛み・倦怠感などが見られますが、ほとんどが軽度で一過性
また、Moderna社のmRNA型RSVワクチン(mRNA-1345)も欧米で承認されており、今後日本でも選択肢が広がる可能性があります。
RSウイルス感染を防ぐことが将来の健康につながる
RSウイルス感染症は、一度入院するとその後の生活にも大きな影響を与えることが分かっています。
- 退院後に在宅ケアが必要になるケース:約25%
- 退院後3か月以内に再入院する人:約27%
- 高齢者ではフレイル(虚弱)や要介護状態に陥るリスクも上昇
また、小児のRSV感染とその後の喘息リスクの関連も示されており、乳児の入院予防のための抗体薬(ニルセビマブ)も開発されています。
ただし、当院では妊婦へのRSVワクチン接種には対応しておりません。
【まとめ】RSウイルス対策は、高齢者にとって新たな「予防習慣」
高齢者の肺炎や呼吸器感染症を防ぐには、インフルエンザや肺炎球菌ワクチンと同様に、RSウイルスワクチンも重要な選択肢です。
以下のような方は、ぜひワクチン接種を検討してみてください。
- 60歳以上で健康に不安がある方
- 呼吸器疾患、心疾患、糖尿病などの持病がある方
- 過去に肺炎で入院したことがある方
- 高齢の親や配偶者を介護している方
1回の接種で、1年にわたって重症化リスクを下げられるのは大きな利点です。
当院でのRSワクチン対応について
シーサー通り内科リハビリクリニックでは、以下の体制でRSウイルスワクチン(アレックスビー)の接種を行っています。
- 60歳以上の成人を対象に、1回接種を実施中
- 医師が適応を確認し、副反応なども説明
- 肺炎球菌・インフルエンザなど他のワクチンとの同時接種にも対応可能
- LINE予約・WEB問診・オンライン相談にも対応しています
重症化予防や健康寿命の延伸のため、ぜひお気軽にご相談ください。
【参考文献】
- Kampmann B, et al. N Engl J Med. 2023;388:1451-1464.
- Papi A, et al. N Engl J Med. 2023;388:595–608.
- Wilson E, et al. N Engl J Med. 2023;389:2233–2244.
- Rosas-Salazar C, et al. Lancet. 2023 Apr 19.
- Assad Z, et al. N Engl J Med. 2024;391:144–154.
