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慢性腎臓病(CKD)の進行を防ぐには?最新治療と生活習慣のポイント

腎臓を守るためにできること

〜慢性腎臓病(CKD)進行を防ぐ最新の知識〜

慢性腎臓病(CKD)は日本でも高齢化に伴い増加している病気です。初期には自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに悪化し、最終的には人工透析が必要になることもあります。今回は、2024年に発表された国際的なガイドライン「KDIGO 2024」に基づき、CKDの進行を防ぐための重要なポイントをわかりやすく解説します。

【1】血圧管理と食事療法がカギ|高血圧・塩分・たんぱく質

CKDの進行を抑えるうえで、血圧管理は非常に重要です。特に収縮期血圧(上の血圧)を120mmHg未満に保つことで、心筋梗塞や脳卒中などの合併症も減らせることが、臨床試験(SPRINT)で示されています。

また、食事面では以下の点が推奨されています。

  • たんぱく質制限:eGFR(推算糸球体濾過量)が60未満の方は、体重1kgあたり1日0.8gに抑えるのが望ましいとされています。たんぱく質をとりすぎると、尿素などの老廃物が腎臓に負担をかけ、機能低下を早めると考えられています。
  • 塩分制限:1日2g未満の塩分摂取が望ましく、血圧を下げ、尿中アルブミン(蛋白)を減らす効果があります。

ただし、極端な制限は栄養不足のリスクもあるため、医師や管理栄養士と相談しながら取り組みましょう。

【2】薬による腎保護効果|SGLT2阻害薬・RAS阻害薬・ミネラルコルチコイド拮抗薬

CKD治療では、薬物療法も進化しています。

RAS阻害薬(ACE阻害薬やARB)
糖尿病がある方や、尿中アルブミンが多い方(30mg/g超)には第一選択の薬です。血圧を下げるだけでなく、腎臓のフィルターにかかる圧を減らし、長期的に腎機能を守る効果が期待されます。

SGLT2阻害薬
糖尿病の方だけでなく、アルブミン尿がある非糖尿病患者にも推奨されるようになっています。腎機能の悪化や心不全、死亡リスクを下げることが大規模な研究で示されました。

非ステロイド性ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(nsMRA)
たとえば「フィネレノン」という薬は、RAS阻害薬を使っていても尿中アルブミンが改善しない人に追加されます。心不全や腎不全のリスクを減らす効果があり、注目されています。

※ これらの薬剤は高カリウム血症などの副作用があるため、定期的な血液検査が必要です。

【3】生活習慣の見直しと定期フォローアップが重要

CKDの進行を抑えるには、日常生活でのちょっとした心がけも大切です。

  • 運動:軽い有酸素運動(ウォーキングなど)は血圧や血糖のコントロールにも有効です。
  • 禁煙:喫煙は腎臓にも悪影響を及ぼすため、禁煙が強く推奨されます。
  • 水分摂取:脱水も腎臓に負担をかけるため、適度な水分補給を心がけましょう。

さらに、CKDは糖尿病や高血圧、動脈硬化とも密接に関連しています。定期的な血液検査や尿検査で、eGFRや尿アルブミンの推移を確認することが、病気の進行を防ぐうえで非常に重要です。

【まとめ】

慢性腎臓病(CKD)の進行を防ぐには、血圧やたんぱく質・塩分管理、そして適切な薬物療法がカギとなります。近年はSGLT2阻害薬やnsMRAなど新しい薬も登場し、腎臓を守る選択肢が広がっています。自己判断ではなく、医師と相談しながら、食事・運動・薬をバランスよく組み合わせていくことが大切です。

【引用文献】

  1. KDIGO 2024 Clinical Practice Guideline for the Evaluation and Management of Chronic Kidney Disease
  2. JAMA. 2025; Published online July 16, 2025. doi:10.1001/jama.2025.9532
  3. N Engl J Med. 2024;391(2):109–121. doi:10.1056/NEJMoa2403347