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食物繊維不足で心筋梗塞リスク増?最新研究が示す動脈硬化の危険信号
食物繊維の少ない食事と心臓病リスクの意外な関係
2025年に発表されたスウェーデンの大規模研究で、食物繊維の摂取量が少ない人ほど、心筋梗塞や狭心症の原因となる「ハイリスクな冠動脈プラーク」が多いことがわかりました。この記事では、その研究内容をわかりやすく解説し、健康な心臓を守る食事について考えます。
【1】研究の概要:約2万4000人の検査データを分析
キーワード:冠動脈プラーク、食物繊維、動脈硬化
この研究は、スウェーデンの「SCAPIS(スカピス)」という国家規模の健康調査に基づいています。対象は50〜64歳の男女24,079人で、全員が心臓病の既往がない一般住民でした。
調査では、「食事炎症指数(Dietary Index=DI)」という指標を使って、食事の健康度を数値化しました。これは、果物や野菜、全粒穀物、ナッツ、オリーブオイルなどを多く含む食事を高評価し、赤身肉、加工食品、砂糖入り飲料を多く含む食事を低評価とする仕組みです。
さらに、冠動脈CT(CCTA)で心臓の血管の状態を詳しく調べ、「石灰化プラーク」や「非石灰化プラーク」、「狭窄(血管の狭まり)」の有無を評価しました。
【2】低スコアの食事は危険なプラークと関連
キーワード:非石灰化プラーク、50%以上の狭窄、高感度CRP
DIが最も低いグループ(0〜5点)では、最も高いグループ(8〜14点)と比べて以下の傾向が見られました:
- 冠動脈プラークの保有率が高い(44.3% vs 36.3%)
- 50%以上の狭窄を伴う高リスクプラークが多い(1.5% vs 0.9%)
- 血中の炎症マーカー(高感度CRP)も高い
特に、非石灰化かつ50%以上の狭窄を伴うプラークは、破裂しやすく心筋梗塞などのリスクが非常に高いとされており、最も警戒すべき病変です。
また、これらの悪影響は、「腹囲」「中性脂肪(TG)」「高血圧」といった代謝・循環器的な因子を介して現れている可能性が示唆されました。
【3】心臓を守るための食生活とは?
キーワード:地中海食、抗炎症作用、食物繊維
本研究の結果は、従来から推奨されてきた「心臓にやさしい食事」が、実際に冠動脈の状態にも良い影響を与えていることを裏付けています。
特に積極的に摂りたい食品:
- 野菜・果物(1日6皿以上が理想)
- 全粒粉パンやオートミール
- ナッツ類
- オリーブオイルやキャノーラ油
- コーヒーやお茶(適量)
避けたい食品:
- 加工肉や赤身肉(摂取は週1回以下が望ましい)
- 砂糖入りジュース・炭酸飲料
- ポテトチップスや揚げ菓子
つまり、「低糖質」や「高タンパク」といった流行に流されるのではなく、植物性食品を中心にした、持続可能で抗炎症性のある食事が、心臓を守るカギになるということです。
【まとめ】
食生活は、見た目の体型だけでなく、体の内側―特に心臓の血管の健康―に大きな影響を及ぼしています。加工食品や赤身肉に偏りがちな現代の食生活を見直し、野菜や穀物、ナッツ類を意識して取り入れることが、心筋梗塞の予防につながるかもしれません。
中年期からの食事改善が、将来の“突然の心臓発作”を防ぐ第一歩です。ぜひ、今日の一食から意識してみましょう。
引用文献
Larsson I, Sun J, Ahmad S, et al. Low-fibre diet is associated with high-risk coronary plaque features. Cardiovascular Research. 2025. doi:10.1093/cvr/cvaf088
(論文全文:https://doi.org/10.1093/cvr/cvaf088)
