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一般内科生活習慣病(高血圧・糖尿病など)

高血圧が気になる人へ:お酒と血圧の関係、今日からできる減酒のコツ

【お酒と血圧:少量でも上がる?(高血圧・飲酒)】
「お酒は少しなら大丈夫」と思いがちですが、血圧の視点では
“少量でも影響が出る可能性”を知っておく価値があります。

日本の健診データを使った大規模な解析では、飲酒量の変化と
次回健診の血圧変化を、長期間にわたり追跡しています。

この研究では、お酒の量を「1ドリンク=純アルコール10g」として
ビールやワインなどを同じ基準で比較しています。

ポイントはシンプルで、飲み始めると血圧は上がりやすく、
やめる(減らす)と血圧は下がりやすい、という方向性です。

もちろん血圧は、塩分・体重・睡眠・ストレス・運動などでも動きます。
それでも「飲酒習慣そのもの」が独立して効いていそう、が示唆です。

【減酒・断酒でどのくらい下がる?(禁酒・血圧改善)】
では、どの程度の変化が期待できるのでしょうか。

この解析では、飲酒量が「1ドリンク(10g)減る」ごとに、
収縮期血圧(上の血圧)が約0.92mmHg、拡張期血圧が約0.82mmHg、
下がる関連が示されています(男女合計の推定)。

逆に、飲まない人が飲み始めて「1ドリンク(10g)増える」ごとに、
収縮期血圧が約0.78mmHg、拡張期血圧が約0.53mmHg、
上がる関連が示されています。

「たった1mmHg前後?」と思うかもしれません。
でも血圧は“少しの差”が積み重なるほど、心臓や脳血管の負担が
長期的に変わるため、生活習慣の一手としては意味があります。

さらに注目は“量が多いほど変化も大きい”という点です。
例えば、やめた量が増えるほど、上の血圧の低下幅が大きくなり、
2〜3ドリンク/日で約−2.35mmHg、3〜4ドリンク/日で約−4.56mmHg、
4ドリンク/日以上で約−5.61mmHgという推定が示されています。

また、お酒の種類(ビール、ワイン、日本酒、焼酎など)を分けても、
血圧への方向性は概ね同じで、「種類よりエタノール量」が本体、
という見方が示されています。

【続けやすい減酒のコツと受診の目安(節酒・生活習慣)】
減酒は「気合い」より「設計」が大切です。続けやすい順に並べます。

まずは“量を見える化”します。
いつ・何を・何杯を、1週間だけメモするだけで十分です。

次に“置き換え”を作ります。
最初の1杯を、炭酸水・ノンアル・お茶にしてみてください。
「飲む行為」を残しつつ、アルコール量だけ減らせます。

「休肝日」を作るなら、週1→週2と段階的に増やします。
いきなり毎日ゼロは、反動で戻りやすい人が多いです。

飲む日も、1杯目はゆっくり、つまみは塩分が少ないものへ。
血圧対策としては、アルコールだけでなく“塩分セット”が要注意です。

最後に、こんな場合は医療機関に相談してください。
・家庭血圧がだいたい135/85以上が続く
・いびき、日中の眠気が強い(睡眠時無呼吸の疑い)
・飲酒を減らしたいのにコントロールできない
・動悸、胸痛、めまい、神経症状がある

減酒は、薬を増やす前に試せる「血圧の土台作り」です。
合うやり方を一緒に見つけると、続けやすくなります。

当院からのご案内(コマーシャル)

シーサー通り内科リハビリクリニック(那覇)では、
高血圧の評価(家庭血圧の見方、生活習慣の整理、二次性高血圧の確認)や、
脳卒中予防の観点からのリスク管理も含めて総合的にサポートします。
「お酒を減らしたい」「薬を増やす前にできることを知りたい」など、
気軽にご相談ください。

引用・参考(リンク用)

Suzuki T, et al. Blood Pressure After Changes in Light-to-Moderate Alcohol Consumption in Women and Men.

J Am Coll Cardiol. 2025. doi:10.1016/j.jacc.2025.09.018