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MOG抗体関連疾患(MOGAD)は治療をやめても大丈夫?再発リスクを脳神経内科専門医が最新研究で解説
MOGADの治療はやめても大丈夫?
最新研究からわかる再発リスクと治療中止の考え方
MOGAD(モガド)は、
視神経、脊髄、脳などに炎症が起こる病気です。
正式には
MOG抗体関連疾患と呼ばれます。
再発をくり返す方もいるため、
再発予防のために免疫を抑える薬を
しばらく続けることがあります。
ただし、治療が長くなると、
感染症や副作用の心配も出てきます。
そのため患者さんやご家族にとって、
「いつまで治療を続けるべきか」
「状態がよければ薬をやめられるのか」は、
とても大切な疑問です。
今回は、2026年に発表された
MOGADの最新研究をもとに、
治療中止後の再発リスクについて
わかりやすく解説します。
【MOGADの治療中止が注目される理由】
MOGADは、
多発性硬化症や視神経脊髄炎関連疾患とは
少し異なる経過をとることがあります。
人によっては再発をくり返しますが、
一方で、その後長く落ち着く方もいます。
特にMOGADでは、
発症してから早い時期に再発しやすく、
時間がたつと再発しにくくなる可能性が
あると考えられています。
この特徴があるため、
一部の患者さんでは、
病状が落ち着いたあとに
治療中止を検討できるのではないか、
と考えられてきました。
今回の研究では、
フランスの大規模データベースを使って、
成人のMOGAD患者さん705人が調べられました。
そのうち維持治療を受けていた人の中から、
計画的な中止、または副作用による中止をした
83例が詳しく解析されました。
対象となった主な治療は、
アザチオプリンや
ミコフェノール酸モフェチルなどの
内服免疫抑制薬、
そしてリツキシマブでした。
つまりこの研究は、
実際の診療現場で
「落ち着いているからやめられるか」を
考える場面に近い内容といえます。
【治療をやめた後の再発率はどのくらい?】
もっとも重要な結果は、
治療中止後1年での再発率が8.7%
だったことです。
83人のうち7人が再発しました。
しかも再発の多くは、
治療をやめてから1年以内に
起こっていました。
この結果だけを見ると、
「やめても大丈夫な人は少なくない」
とも受け取れます。
一方で、
約1割は再発する可能性があるため、
自己判断で中止してよいとは言えません。
また大事な点として、
治療中止後に急激に悪化するような
強い“反動”は目立ちませんでした。
再発した場合の重症度も、
全体としては比較的軽く、
大きく後遺症が悪化したケースは
多くありませんでした。
さらに、
内服薬をやめた場合と
リツキシマブをやめた場合で、
再発率に大きな差はみられませんでした。
つまり今回の研究からは、
MOGADでは条件が合えば、
慎重に治療中止を考えられる可能性が
示されたといえます。
【治療中止を考える目安と注意点】
では、
どのような人なら
治療中止を考えやすいのでしょうか。
今回の研究で特に重要だったのは、
次の2つです。
1つ目は、
治療期間が1年以上あることです。
治療期間が1年未満の人では、
再発がみられました。
一方で、1年以上治療していた人では、
再発はみられませんでした。
2つ目は、
最後の再発から2年以上たっていることです。
最後の再発から2年未満の人では、
再発する人がいました。
しかし2年以上再発がなかった人では、
再発はみられませんでした。
このため、
少なくとも1年以上治療を続け、
さらに2年以上再発がないことが、
中止を考える一つの目安になる可能性があります。
ただし、この研究にも限界があります。
後ろ向き研究であり、
今後の前向き研究で
確認が必要です。
また小児の患者さんは含まれておらず、
すべてのMOGAD患者さんに
同じように当てはめられるわけではありません。
治療中止を考えるときは、
これまでの再発回数、
症状の重さ、
画像所見、
副作用の有無、
妊娠希望の有無などを
総合的にみる必要があります。
つまり結論としては、
MOGADは一生必ず治療を続ける病気とは限らない
けれども、
やめるかどうかは専門医と慎重に決めるべき
ということです。
視力低下、しびれ、
歩きにくさ、ふらつきなどがあれば、
治療中止後は特に早めの受診が大切です。
まとめ
MOGADの最新研究では、
治療中止後1年の再発率は8.7%でした。
特に、
治療を1年以上継続していること、
最後の再発から2年以上たっていることが、
中止を考えるうえで重要なポイントでした。
MOGADの治療は、
状態が安定していれば
中止を検討できる場合があります。
ただし、
自己判断は危険です。
治療を続けるべきか、
減らせるか、
やめられるかは、
脳神経内科の専門医と相談しながら
丁寧に判断することが大切です。
当院からのお知らせ
那覇市・浦添市・沖縄県で
MOG抗体関連疾患(MOGAD)や
視神経炎、脊髄炎、しびれ、歩きにくさなどで
お困りの方は、
シーサー通り内科リハビリクリニックへご相談ください。
当院では、
脳神経内科専門医が
神経症状を丁寧に評価し、
必要に応じて連携医療機関と協力しながら
診断・治療方針をご提案します。
「再発予防の治療をいつまで続けるか迷っている」
「薬をやめてよいのか相談したい」
「しびれや視力低下が再発ではないか不安」
という方も、どうぞお気軽にご相談ください。
引用文献
Boudot de la Motte M, Gavoille A, Papeix C, et al.
Treatment Discontinuation in Patients With Myelin Oligodendrocyte Glycoprotein Antibody–Associated Disease.
JAMA Neurology. Published online March 23, 2026. doi:10.1001/jamaneurol.2026.0268.
