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睡眠データ×AIで病気を予測|認知症・心臓病リスクが数値で見えた最新研究
私たちは人生の約3分の1を睡眠に費やしています。
これは80歳まで生きると、約26年間眠っている計算になります。
最近、その長い睡眠時間が
「将来の病気リスクを映す鏡」になる可能性が示されました。
2025年、世界的医学誌に掲載された研究では、
一晩の睡眠データから、
認知症や心臓病のリスクを予測できると報告されています。
今回は、その内容を
数字を交えて、できるだけやさしく解説します。
【睡眠の精密検査とAI:SleepFMとは(睡眠検査・AI・数字)】
研究で使われたのは、
**PSG(ポリソムノグラフィー)**という睡眠検査です。
PSGでは、
脳波、心電図、呼吸、酸素濃度、筋肉の動きなど
10種類以上の体の信号を同時に記録します。
この研究では、
約6万5,000人分
合計58万時間以上の睡眠データが解析されました。
時間にすると、約67年分の睡眠です。
これほど大規模な睡眠データを学習したAIが
「SleepFM」と呼ばれるモデルです。
特徴は、特定の病気だけでなく、
100種類以上の病気リスクに応用できる点です。
【一晩の睡眠で何がわかる?病気リスクの精度(認知症・心臓病)】
研究では、SleepFMが
130種類の病気について予測できるかが検証されました。
その結果、特に高い精度が示されたのが次の病気です。
・認知症:予測精度 0.85
・全死亡:0.84
・心筋梗塞:0.81
・心不全:0.80
・腎臓病:0.79
この数字は「C-index」と呼ばれる指標です。
0.5は「ほぼ偶然」、
1.0に近いほど「よく当たる」と考えると分かりやすいです。
認知症の0.85という値は、
医療AI研究の中でもかなり高い水準です。
つまり、
眠り方のクセだけで、将来の脳の健康状態がある程度見えてくる
可能性があるのです。
【私たちが今すぐできること(睡眠習慣・早期対策・注意点)】
もちろん、このAIは
病気を確定診断するものではありません。
あくまで
「将来リスクが高い人を早めに見つける」
ための技術です。
ただ、見逃せない事実があります。
日本では、
睡眠時無呼吸症候群の患者は約300万人、
その多くが未診断とされています。
いびき、日中の眠気、夜中の目覚めは、
脳卒中や認知症リスクとも関係します。
睡眠時間が6時間未満の人は、
認知症リスクが高いという報告もあります。
睡眠は「削るもの」ではなく、
将来の健康への投資と考えることが大切です。
【当院からのお知らせ】
那覇市のシーサー通り内科リハビリクリニックでは、
一般内科・脳神経内科・リハビリ診療を行っています。
いびき、不眠、日中の眠気、
物忘れや頭痛が気になる方もご相談ください。
睡眠から、脳と体の未来を一緒に守っていきましょう。
引用文献・参考リンク
Thapa R, Kjaer MR, He B, et al.
A multimodal sleep foundation model for disease prediction.
Nature Medicine, 2025.
