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コーヒーはメンタルヘルスに良い?うつ・不安との関係を脳神経内科専門医が解説
コーヒーや紅茶は、仕事や家事の合間に気持ちを落ち着かせてくれる
身近な飲み物です。「コーヒーを飲むとうつ病を予防できるのか」
「カフェインで不安が強くならないか」と気になる方もいるでしょう。
2026年にScientific Reportsで発表された研究では、成人1994人を
対象に、紅茶・コーヒーの摂取量と、うつ症状や不安症状との関係が
調べられました。
結果として、紅茶を飲む量と、うつ・不安症状との間には明確な関係が
認められませんでした。一方、コーヒーを1日1杯以上飲む人では、
うつ症状が少ない傾向が示されました。
ただし、この研究だけで「コーヒーを飲めばうつ病を予防できる」とは
結論づけられません。研究の内容と、日常生活で注意したいポイントを
分かりやすく解説します。
【コーヒー・紅茶とうつ症状を調べた研究】
今回の研究は、イランの5つの都市に住む成人を対象に行われました。
最終的に1994人が解析され、過去1年間の紅茶とコーヒーの摂取状況が
質問票を使って調べられています。
紅茶は、1日1杯未満、1杯以上2杯未満、2杯以上の3つに分類されました。
コーヒーを飲む人が比較的少なかったため、コーヒーは1日1杯未満と
1杯以上の2つのグループで比較されています。
うつ症状と不安症状の評価には、HADSという質問票が使われました。
これは気分の落ち込みや不安の程度を確認する検査で、病院や研究で
広く用いられています。
HADSはうつと不安について、それぞれ7つの質問に答える形式です。
点数が高いほど症状が強いことを示しますが、この検査だけで
うつ病や不安症と確定診断するものではありません。
解析では、年齢、性別、喫煙、運動量、社会経済状況、食事内容など、
心の状態や飲み物の選び方に影響し得る複数の要因が調整されました。
単純な人数の比較よりも、背景の違いを考慮した研究です。
【コーヒーとうつ・不安の関係はどうだった?】
紅茶については、摂取量が多くても少なくても、うつ症状や不安症状に
統計学的な差は認められませんでした。つまり、この研究では紅茶が
心の健康に良いとも悪いとも示されませんでした。
コーヒーについては、調整前の解析で、1日1杯以上飲む人は飲まない人より
うつ症状を持つ可能性が約40%低く、不安症状を持つ可能性も
約27%低いという結果でした。
しかし、年齢や運動、喫煙、社会経済状況、栄養素などを調整すると、
不安症状との関係は認められなくなりました。うつ症状についても、
リスクが低い傾向は残ったものの、統計学的には境界的な結果でした。
最終調整後のうつ症状のオッズ比は0.70で、95%信頼区間は
0.49~1.01、P値は0.057でした。これは「うつ症状が少ない可能性は
あるが、偶然の影響を否定できない」という意味です。
コーヒーを飲んでいた人は、飲まない人より若く、身体活動が多く、
教育歴や社会経済状況にも違いがありました。コーヒーそのものではなく、
生活習慣全体の差が影響した可能性もあります。
また、この研究は一時点の状態を調べた「横断研究」です。うつ症状が
少ないからコーヒーを飲んでいたのか、コーヒーが症状に影響したのか、
原因と結果の順番までは判断できません。
【カフェインと心の健康―飲み方の注意点】
コーヒーに含まれるカフェインは、脳内のアデノシンという物質の働きを
抑え、眠気を軽くします。また、ドーパミンやノルアドレナリンなど、
意欲や覚醒に関係する神経伝達物質にも影響します。
そのため、適量のコーヒーで気分がすっきりし、集中しやすくなる人が
います。今回の研究でうつ症状が少ない傾向を示した理由としても、
こうした作用が考察されています。
一方、カフェインの感じ方には大きな個人差があります。飲み過ぎると、
動悸、手の震え、不眠、胃の不快感、焦り、落ち着かなさなどが
現れることがあります。
もともと不安が強い方やパニック発作がある方では、カフェインによって
症状が悪化することもあります。夕方以降の摂取で眠れなくなれば、
睡眠不足を通じて気分や不安に悪影響を与える可能性があります。
砂糖、シロップ、生クリームを多く加えたコーヒーは、カロリーや糖質が
増えます。心の健康だけでなく、体重、糖尿病、脂質異常症も考えると、
無糖または甘さを控えた飲み方がおすすめです。
コーヒーは、うつ病や不安症の治療薬ではありません。気分の落ち込みが
2週間以上続く、眠れない、食欲がない、仕事や家事ができない場合には、
飲み物だけで対処せず、医療機関に相談しましょう。
【よくある質問・Q&A】
Q.コーヒーを毎日飲めば、うつ病を予防できますか?
A.今回の研究では、うつ症状が少ない傾向は認められましたが、
予防効果は証明されていません。生活習慣全体を整えることが大切です。
Q.不安症がある人はコーヒーを控えるべきですか?
A.少量で問題がない方もいますが、動悸や焦り、不眠が悪化する場合は、
摂取量を減らすか、カフェインレス飲料への変更をご検討ください。
Q.紅茶にはうつや不安を減らす効果がありますか?
A.今回の研究では、紅茶の摂取量とうつ・不安症状との明確な関係は
認められませんでした。ただし、紅茶が有害という結果でもありません。
Q.1日に何杯までなら飲んでよいですか?
A.体質、年齢、妊娠、薬の使用状況などで異なります。動悸や不眠が
出ない範囲で、夕方以降を避けながら適量を楽しむことが大切です。
【那覇市・浦添市・沖縄県で気分の落ち込みや不安がある方へ】
シーサー通り内科リハビリクリニックでは、内科・脳神経内科の視点から、
気分の落ち込み、不安、動悸、めまい、頭痛、不眠などの症状を
総合的に評価しています。
気分の症状には、貧血、甲状腺機能異常、睡眠障害、薬の副作用など、
身体の病気が関係している場合もあります。必要に応じて血液検査や
各種検査を行い、適切な専門医療機関との連携も検討します。
那覇市・浦添市をはじめ沖縄県内で、気分の落ち込みや不安、眠れない、
動悸が気になる方は、シーサー通り内科リハビリクリニックへ
お気軽にご相談ください。
【引用情報】
Mahjourian MM, Bahrami G, Mohammadifard N, et al.
Tea and coffee consumption in relation to depression and anxiety symptoms:
findings from the multicentric LIPOKAP study. Scientific Reports. 2026.
https://doi.org/10.1038/s41598-026-55251-z
