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パーキンソン病脳神経内科

パーキンソン病は診断が難しい?遺伝子と病理から見える最新研究

パーキンソン病は、手足のふるえ、動作の遅さ、歩きにくさなどが
少しずつ進む神経の病気です。

しかし実際の診療では、パーキンソン病に似た病気がいくつもあり、
初期には見分けが難しいことがあります。

最近、JAMA Neurologyに発表された大規模研究では、
パーキンソン病や関連疾患の「診断の難しさ」が改めて示されました。

この研究では、世界の脳バンクに登録された3,353人を対象に、
生前の診断、亡くなった後の脳の病理、遺伝子情報を比較しています。

その結果、運動障害を起こす病気では、臨床診断と病理診断のずれが
およそ10〜20%みられました。

つまり、専門医が診ても、症状だけでは完全に区別できないことが
あるということです。

【パーキンソン病の診断が難しい理由】

パーキンソン病に似た病気には、進行性核上性麻痺、
多系統萎縮症、大脳皮質基底核症候群などがあります。

これらは「パーキンソン症候群」と呼ばれ、動きが遅い、転びやすい、
体が硬いなど、似た症状で始まることがあります。

特に初期には、ふるえが目立たない人や、認知症症状が先に出る人もいます。

研究では、パーキンソン病、パーキンソン病認知症、
レビー小体型認知症では、レビー小体という病理変化が多くみられました。

レビー小体とは、脳の神経細胞にたまる異常なたんぱく質のかたまりです。

一方で、認知症を伴う場合のほうが、レビー小体病理との一致率が
高いことも示されました。

これは、幻視、認知機能低下、睡眠中に大声を出すなどの症状が、
診断の手がかりになるためと考えられます。

【遺伝子とレビー小体病理の関係】

今回の研究では、GBA1やLRRK2という遺伝子にも注目しています。

GBA1は、パーキンソン病のリスクと関係することが知られる遺伝子です。

研究では、GBA1変異を持つ人では、レビー小体病理がより広い範囲に
みられやすいことが示されました。

一方、LRRK2変異を持つ人では、レビー小体病理が少ない場合もあり、
病気の経過が比較的長い傾向も報告されています。

ここで大切なのは、遺伝子があるから必ず発症する、
という単純な話ではないことです。

遺伝子は「体質」や「なりやすさ」に関係しますが、
診断や治療方針は症状、経過、画像検査、専門的な診察を合わせて判断します。

今後は、血液検査、髄液検査、画像検査、遺伝子情報などを組み合わせて、
より正確に診断する時代に進んでいくと考えられます。

【早めに専門医へ相談したい症状】

パーキンソン病や関連疾患では、早めの気づきがとても大切です。

手がふるえる、歩幅が小さくなる、表情が乏しくなる、
字が小さくなるといった変化は、受診のきっかけになります。

また、よく転ぶ、ろれつが回りにくい、飲み込みにくい、
急に物忘れや幻視が目立つ場合も注意が必要です。

特に、進行が早い、転倒が多い、血圧が下がりやすい、
目の動きが悪い場合は、パーキンソン病以外の病気も考えます。

診断が難しい病気だからこそ、1回の診察だけで決めつけず、
時間をかけて経過をみることが重要です。

薬の効き方、症状の変化、リハビリでの反応も、診断の参考になります。

まとめ

パーキンソン病に似た病気は多く、症状だけで完全に区別することは
簡単ではありません。

今回の大規模研究では、臨床診断と病理診断のずれが10〜20%あり、
遺伝子や病理を組み合わせた診断の重要性が示されました。

今後は、より正確な診断に基づいて、病気のタイプに合った治療や
リハビリを選ぶ時代になっていくと考えられます。

気になる症状がある場合は、年齢のせいと決めつけず、
脳神経内科で相談することをおすすめします。

当院からのお知らせ

那覇市・浦添市・沖縄県で、手のふるえ、歩きにくさ、転びやすさ、
物忘れ、パーキンソン病が心配な方は、シーサー通り内科リハビリクリニックへ
お気軽にご相談ください。

当院では、内科・脳神経内科・リハビリ科の視点から、
診察、検査、薬物治療、リハビリテーションまで総合的にサポートします。

引用情報

Wu LY, et al. Pathology and Genetics in a Global Cohort of Parkinsonian Disorders.
JAMA Neurology. Published online June 8, 2026.
doi:10.1001/jamaneurol.2026.1634