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下痢で抗生剤はNG?|耐性菌を増やさない正しい対処法
海外旅行後の下痢、抗生剤は本当に必要?
耐性菌を増やさないために知っておきたい大切な話
海外旅行中や帰国後に下痢になると、
「抗生剤を飲めば早く治る」と考える方は多いと思います。
しかし現在、抗生剤が効かない「耐性菌」が世界的に増えています。
むしろ、間違った使い方が治りを悪くすることもあります。
この記事では、旅行者下痢症について、
原因・地域差・抗生剤の正しい考え方を解説します。
【旅行者下痢症とは?まず知っておきたい基本】
旅行者下痢症とは、海外で感染した菌により起こる急な下痢です。
多くは水や食べ物を通して、細菌が体に入ることで起こります。
原因菌には、カンピロバクターやサルモネラ、赤痢菌などがあります。
ただし、すべての下痢に抗生剤が必要なわけではありません。
実は、多くの軽症例は水分補給だけで自然に回復します。
下痢は、体が菌を外に出そうとする防御反応でもあります。
この段階で抗生剤を使うと、
体に必要な腸内細菌まで減ってしまうことがあります。
【抗生剤が効かない「耐性菌」とは?】
耐性菌とは、抗生剤が効きにくくなった細菌のことです。
これは菌が強くなったというより、人の使い方が原因です。
抗生剤を「必要ないのに使う」「途中で変える」
こうした使い方が、耐性菌を増やしてしまいます。
最近の研究では、
地域によっては、よく使われる抗生剤が
ほとんど効かない菌が多いことが分かっています。
このような場合、
効かない抗生剤は続けず、中止することが重要です。
「とりあえず飲み続ける」は、
耐性菌をさらに増やす危険な行為になります。
【抗生剤の乱用は厳禁|正しい対処と受診の目安】
下痢になったら、まず行うべきは水分補給です。
経口補水液や薄めたスポーツ飲料を少量ずつ飲みましょう。
次に、すぐ受診が必要なサインを覚えてください。
血便、高い熱、強い腹痛、ぐったりしている場合です。
これらがある場合は、
原因菌を考えながら治療を選ぶ必要があります。
抗生剤は、
「中等症以上」「日常生活ができない」
このような場合に、医師が慎重に判断して使います。
もし抗生剤を使っても改善しない場合、
耐性菌の可能性があれば中止や変更を検討します。
抗生剤は万能薬ではありません。
乱用は自分のためにも、社会のためにも避けるべきです。
参考文献・引用(リンク)
- Amatya B, et al.
GeoSentinel analysis of antimicrobial resistance patterns in travelers’ diarrhea.
JAMA Network Open. 2025;8(12):e2551089.
https://jamanetwork.com/ - Riddle MS, et al.
Guidelines for the prevention and treatment of travelers’ diarrhea.
Journal of Travel Medicine. 2017. - World Health Organization.
WHO updates list of drug-resistant bacteria most threatening to human health.
https://www.who.int/
