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一般内科消化器

脂肪肝とお酒|月1回のドカ飲みでも肝線維化リスクに注意

脂肪肝と「ドカ飲み」

月1回の大量飲酒でも肝臓に負担がかかる可能性があります

健康診断で「脂肪肝」と言われたことはありませんか。

脂肪肝は、肝臓に脂肪がたまりすぎた状態です。
以前は「お酒を飲む人の病気」という印象が強くありました。

しかし近年は、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧など、
生活習慣病と関係する脂肪肝が増えています。

最近では、こうした脂肪肝を
MASLDと呼ぶようになってきました。

MASLDとは、代謝機能障害関連脂肪性肝疾患のことです。
少し難しい言葉ですが、簡単にいうと、
「生活習慣病と関係する脂肪肝」という意味です。

今回、医学誌Clinical Gastroenterology and Hepatologyに、
脂肪肝と「一度にたくさん飲む飲酒習慣」に関する研究が
報告されました。

この研究では、米国のNHANESという大規模健康調査を用い、
2017年から2023年までの成人8006人を解析しています。

その結果、MASLDの人のうち15.9%に、
月1回以上の大量飲酒がみられました。

さらに、こうした飲酒習慣がある人では、
進行した肝線維化のリスクが高いことが示されました。
肝線維化とは、肝臓が硬くなっていく変化のことです。

【脂肪肝とMASLD|生活習慣病と肝臓はつながっています】

脂肪肝は、ただ脂肪がついているだけの状態ではありません。

放置すると、一部の人では肝臓に炎症が起こり、
肝線維化、肝硬変、肝がんへ進むことがあります。

特に注意したいのは、糖尿病、肥満、脂質異常症、
高血圧を合併している方です。

これらは肝臓だけでなく、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、
認知症リスクとも関係します。

つまり脂肪肝は、肝臓だけの問題ではなく、
全身の血管や代謝の状態を映すサインともいえます。

「肝機能の数値が少し高いだけだから大丈夫」
「症状がないから様子をみよう」と思われがちです。

しかし肝臓は、かなり悪くなるまで症状が出にくい臓器です。
だからこそ、早い段階で生活習慣を見直すことが大切です。

【ドカ飲みと肝線維化|平均量だけでは見逃される危険】

今回の研究で注目されたのは、飲酒の「平均量」ではなく、
「飲み方」です。

研究では、女性で1日に4杯以上、男性で5杯以上飲むことが、
月1回以上ある場合を、断続的な大量飲酒と定義しています。

いわゆる「週末だけたくさん飲む」「飲み会で一気に飲む」
という飲み方に近いイメージです。

MASLDの人でこの飲み方がある場合、
有意な肝線維化のオッズは1.69倍、
進行した肝線維化のオッズは2.76倍でした。

つまり、平均の飲酒量がそれほど多くないように見えても、
一度に多く飲む習慣が肝臓に負担をかける可能性があります。

これまでの脂肪肝の分類では、主に平均飲酒量で、
MASLD、MetALD、ALDなどを分けていました。

MetALDとは、代謝異常とアルコールの両方が関係する
脂肪性肝疾患のことです。

今回の研究では、ドカ飲みを分類に含めると、
MetALDに該当する人が大きく増える可能性も示されました。

これは、脂肪肝診療では「どれくらい飲むか」だけでなく、
「どのように飲むか」も確認する必要があるということです。

【脂肪肝の対策|検査と生活改善を早めに始めましょう】

脂肪肝を指摘された方は、まず現在の肝臓の状態を
正しく知ることが大切です。

血液検査では、AST、ALT、γGTPだけでなく、
血糖、HbA1c、脂質、尿酸、腎機能なども確認します。

また、腹部エコーやCTで脂肪肝の程度を確認することもあります。

近年は、肝臓の硬さを評価する検査も注目されています。
肝臓が硬くなっている場合は、より慎重な管理が必要です。

生活面では、体重を少し落とすだけでも肝臓に良い影響があります。

急激な減量ではなく、食事、運動、睡眠、飲酒習慣を
無理なく整えることが大切です。

お酒については、「毎日ではないから大丈夫」と考えず、
一度に多く飲む習慣を減らすことが重要です。

休肝日を作るだけでなく、1回あたりの量を減らす工夫が必要です。

脂肪肝は、早い段階で気づけば改善を目指せる病気です。
一方で、放置すると肝臓だけでなく、血管や脳の健康にも
影響する可能性があります。

健康診断で脂肪肝、肝機能異常、血糖や脂質の異常を
指摘された方は、早めに相談しましょう。

当院からのお知らせ

那覇市・浦添市・沖縄県で、脂肪肝、肝機能異常、
生活習慣病、動脈硬化が気になる方は、
シーサー通り内科リハビリクリニックへご相談ください。

当院では、内科、脳神経内科、リハビリテーションの視点から、
高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満、動脈硬化を総合的に評価します。

CTによる内臓脂肪評価、血液検査、頸動脈エコー、
骨密度検査などを組み合わせ、将来の脳梗塞、心筋梗塞、
認知症予防も意識した診療を行っています。

「脂肪肝と言われたけれど、何をすればよいかわからない」
という方も、お気軽にご相談ください。

引用情報

Yinan Su, Jennifer L. Dodge, Brian P. Lee.
Episodic Heavy Drinking and Implications for Steatotic Liver Disease Nomenclature: A National Cross-Sectional Study.
Clinical Gastroenterology and Hepatology. Available online April 2, 2026.
DOI: 10.1016/j.cgh.2026.03.004.