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脳神経内科認知症

高齢者の猛暑対策|認知症・死亡リスクを防ぐ夏の過ごし方

近年、日本の夏は「暑い」だけではなく、命に関わるレベルの暑さに
なっています。熱中症が有名ですが、最近は猛暑と認知症リスク
関係にも注目が集まっています。

認知症は、年齢や遺伝だけで決まる病気ではありません。血圧、糖尿病、
運動不足、睡眠、社会的孤立など、生活環境も深く関係します。
その中に、暑さという環境要因も加わる可能性があります。

【猛暑と認知症リスク】

2026年にAlzheimer’s & Dementia誌で、日本の大規模データを用いた
研究が報告されました。対象は、65歳以上で自立して生活していた
高齢者57,178人です。

この研究では、2016年から2019年のデータを使い、地域ごとの
「いつもより極端に暑い日」が、認知症の発症や死亡と関係するかを
調べました。

結果として、1〜3年間にわたって極端な暑さにさらされる日が多いほど、
認知症発症や死亡のリスクが高くなる
ことが示されました。

特に、地域の過去の気温と比べて上位10%に入る暑い日が多い場合、
認知症や死亡のリスクが上がる傾向がみられました。

つまり、猛暑は一時的な熱中症だけでなく、数年単位で脳と体に
負担をかける可能性
があります。

【暑さが脳に影響する理由】

暑さは、体温調節だけでなく、脳にも負担をかけます。高齢になると、
汗をかく力やのどの渇きを感じる力が弱くなり、脱水に気づきにくくなります。

脱水になると、血液の流れが悪くなり、脳への酸素や栄養が届きにくく
なります。また、睡眠の質が悪くなり、食欲や活動量も落ちやすくなります。

専門的には、暑さによる体への負担を「熱ストレス」と呼びます。
これは、体が暑さに対応するために無理をしている状態です。

熱ストレスが続くと、脳の血流低下、睡眠不足、運動量低下、
持病の悪化が重なり、認知機能に悪影響を与える可能性
があります。

特に、独居の方、エアコンを使わない方、心臓病や糖尿病がある方、
足腰が弱く外出が減っている方は注意が必要です。

【高齢者の認知症予防と暑さ対策】

夏の認知症予防で大切なのは、我慢しないことです。
「昔はエアコンを使わなかったから大丈夫」と考えるのは危険です。

室温は28℃以下を目安にし、湿度が高い日は早めにエアコンを使いましょう。
のどが渇く前に水分をとり、汗をかいた日は塩分も適度に補います。

また、暑い時間帯の外出は避け、運動は朝や夕方、室内で行うのが安全です。
歩く量が減ると筋力や認知機能にも影響するため、涼しい環境で
体を動かす工夫が大切です。

家族や地域の見守りも重要です。高齢者本人は暑さに気づきにくいことが
あります。電話や訪問で、室温、水分、食事、睡眠、体調を確認すること
命を守る行動になります。

認知症予防は、脳トレだけではありません。血圧、糖尿病、脂質異常症、
睡眠、運動、社会参加、そして暑さ対策を合わせて考えることが大切です。

シーサー通り内科リハビリクリニックでは、内科・脳神経内科・
リハビリテーション科の視点から、もの忘れ、認知症予防、生活習慣病、
フレイル、熱中症対策を総合的に診療しています。

那覇市・浦添市・沖縄県で、もの忘れ、認知症予防、夏場の体調不良、
高齢者の暑さ対策が気になる方は、
シーサー通り内科リハビリクリニックへお気軽にご相談ください。

引用情報

Morita A, Nishimura H, Anzai T, et al.
Effects of extreme heat on the onset of dementia and all-cause mortality:
A 3-year follow-up study in a large population-based cohort in Japan.
Alzheimer’s & Dementia. 2026;22.
doi:10.1002/alz.71057