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高齢者の転倒に注意!大腿骨近位部骨折の死亡リスクと骨粗しょう症対策

大腿骨近位部骨折とは?高齢者の原因・治療・リハビリ・予防を解説

高齢者が転倒した後、足の付け根を強く痛がり、立てなくなった場合は、
大腿骨近位部骨折が起きている可能性があります。

大腿骨近位部骨折は、一般に「股関節の骨折」と呼ばれることもあり、
寝たきりや介護が必要になる大きな原因の一つです。

JAMAに掲載された最新の総説では、世界で年間約1,420万人が股関節周辺を
骨折し、骨折後1年間の死亡率は中央値で約22%と報告されています。
決して「骨だけの病気」と軽く考えることはできません。

【大腿骨近位部骨折の原因と注意すべき症状】

大腿骨近位部骨折の95%以上は転倒をきっかけに発生します。特に高齢者では、
室内で尻もちをついた程度の転倒でも骨折することがあります。

骨折する場所によって、大腿骨頸部骨折、大腿骨転子部骨折、
大腿骨転子下骨折などに分けられます。

主な症状は、股関節や足の付け根の強い痛み、立てない、歩けない、
骨折した側の足が外側を向く、左右の足の長さが違って見えることです。

ただし、骨折のずれが少ない場合は痛みが比較的軽く、少し歩けることもあります。
転倒後から痛みが続く場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診しましょう。

危険因子として重要なのが、骨粗しょう症、過去の骨折、筋力低下、
バランス障害、視力低下、低体重、喫煙、運動不足です。

パーキンソン病や認知症、糖尿病、慢性腎臓病などがある人も、
骨が弱くなったり転倒しやすくなったりするため注意が必要です。

睡眠薬、抗不安薬、一部の抗うつ薬、血圧を下げる薬などによる眠気や
立ちくらみが、転倒につながる場合もあります。

過去に転倒した人は、その後の大腿骨近位部骨折リスクが女性で約36%、
男性で約59%高かったと報告されており、転倒歴は重要なサインです。

【大腿骨近位部骨折の手術とリハビリ】

大腿骨近位部骨折の多くは入院と手術が必要です。骨折の場所やずれ方、
年齢、全身状態、骨の強さなどを考慮して治療方法が決められます。

主な手術には、金属製のねじや棒で骨を固定する骨接合術と、
傷んだ股関節を人工物に置き換える人工骨頭置換術などがあります。

全身状態が許せば、骨折後なるべく早く手術を行うことが重要です。
総説では、48時間以内の手術が死亡リスクの低下と関連していました。

手術が終われば治療完了というわけではありません。安静が長引くと、
筋力低下、肺炎、血栓、認知機能の低下などが起こりやすくなります。

そのため、医師の許可のもとで早期から身体を起こし、立つ練習や歩行練習を
始めます。手術後1~2日で体重をかけられるケースもあります。

リハビリでは歩行練習だけでなく、筋力、バランス、立ち上がり、階段、
着替えやトイレなど、日常生活に必要な動作を総合的に練習します。

歩行、筋力、バランス、生活動作を組み合わせたリハビリは、
一種類の運動だけを行うより移動能力の改善が期待できます。

骨折前と同じ生活まで回復できるかどうかは、年齢や認知機能、持病、
骨折前の歩行能力、リハビリの開始時期などによって異なります。

報告では、骨折から6か月以内に、約42~71%の人が骨折前の基本的な
日常生活動作を取り戻していました。一方、回復に時間がかかる人もいます。

【骨粗しょう症治療と転倒予防で再骨折を防ぐ】

大腿骨近位部骨折を経験した人は、反対側の大腿骨や背骨、手首などを
再び骨折する危険性が高くなります。

骨折の治療と同時に、骨密度検査や血液検査を行い、骨粗しょう症の有無を
評価することが大切です。

骨折リスクの評価には、骨密度に加えて年齢、体重、過去の骨折、喫煙、
家族歴などから10年間の骨折確率を推定するFRAXも利用されます。

骨粗しょう症の治療薬には、ビスホスホネート製剤、デノスマブ、
テリパラチド、ロモソズマブなどがあります。

どの薬が適しているかは、腎機能、骨折歴、骨密度、心血管疾患の有無、
通院状況などによって異なります。自己判断で中断してはいけない薬もあります。

特にデノスマブは、注射時期が大幅に遅れたり中断したりすると、
複数の背骨の骨折が起こる危険性が高まるため、計画的な治療が必要です。

食事では、たんぱく質、カルシウム、ビタミンDを不足させないことが重要です。
ただし、サプリメントを飲むだけで骨折を完全に防げるわけではありません。

椅子からの立ち上がり、かかと上げ、歩行練習などを安全に行い、
筋力とバランス能力を保つことが転倒予防につながります。

自宅では、床のコードや小さなマットを片づける、夜間の通路を明るくする、
滑りにくい靴を履くなど、生活環境も見直しましょう。

よくある質問 Q&A

Q.転倒後に歩ければ骨折していないのでしょうか?

A.歩けても骨折している場合があります。足の付け根の痛みが続く、
体重をかけると痛い場合は、早めに画像検査を受けてください。

Q.骨密度が正常なら大腿骨近位部骨折は起こりませんか?

A.骨密度が正常でも、筋力低下やバランス障害、視力低下などにより
強く転倒すれば骨折する可能性があります。骨と転倒の両方の対策が必要です。

Q.一度骨折した後も骨粗しょう症治療は必要ですか?

A.大腿骨近位部骨折は、次の骨折が起きる危険性が高い状態です。
骨密度検査を受け、薬物治療と転倒予防を継続することが重要です。

那覇市・浦添市・沖縄県で骨粗しょう症や転倒が心配な方へ

シーサー通り内科リハビリクリニックでは、骨密度検査による骨粗しょう症の
評価、内科的な原因の確認、薬物治療、転倒予防のためのリハビリに対応しています。

「最近転びやすくなった」「以前より歩く速度が遅くなった」
「背中が曲がってきた」「身長が縮んだ」なども、骨折リスクのサインです。

那覇市・浦添市をはじめ沖縄県内で、骨粗しょう症、筋力低下、
歩行障害、転倒についてお困りの方は、お気軽にご相談ください。

参考文献・引用情報

Johannesdottir F, Roberts JE, Kiel DP, Tsai JN.
Hip Fractures: A Review. JAMA. Published online July 16, 2026.
https://doi.org/10.1001/jama.2026.11895