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【2025年最新】熱中症だけじゃない!熱波が引き起こす心臓疾患リスク
暑さで命が危ない?熱波と心臓病の深い関係
年々暑さが厳しくなる中で、「熱中症」に対する注意は広く知られるようになりました。
しかし最近の研究では、熱波によって心臓病による死亡リスクが大きく高まることがわかってきました。
特に高齢者や心臓に不安がある方にとって、暑さは“沈黙の脅威”となる可能性があります。
この記事では、2025年に発表された大規模研究をもとに、熱波と心臓病との関係についてわかりやすく解説します。
【1. 熱波とは?「昼だけ・夜だけ・両方」の違いに注目】
これまで熱波の定義は「気温が一定以上の日が続く」といったざっくりしたものでした。
しかし今回の研究では、「昼間だけの熱波」「夜間だけの熱波」「昼夜両方の熱波」という3種類に分けて分析しています。
さらに、「どれだけ暑い日がどれだけ続いたか」を数値化した**ECT-HW(Excess Cumulative Temperature – HeatWave)**という新しい指標を用いて、より正確に“暑さの影響”を測りました。
その結果、**昼夜両方の熱波(複合型熱波)**が、最も心臓病による死亡リスクを高めることが明らかになりました。
【2. リスクは一直線ではない?非線形な関係に注意】
研究では2013年〜2019年までに中国本土で発生した心臓病による死亡239万人分のデータを用い、死亡リスクと熱波の強さ・期間の関係を分析しました。
その結果、リスクは“あるポイントを超えると急増する”非線形(ノンリニア)な関係があることが分かりました。
- 昼夜両方の熱波では、暑くなるほどリスクがほぼ直線的に上昇(しきい値なし)
- 夜間のみの熱波では、暑さが一定レベル(25パーセンタイル)を超えてからリスク増加
- 昼間のみの熱波では、中程度で一旦落ち着き、極端な暑さで再びリスク増加
つまり、単純に「暑い日が多い=リスクが高い」とは言えず、時間帯や暑さの程度によってパターンが異なるのです。
【3. 命を守るためにできる対策とは?】
この研究で最も重要なメッセージは、「これまでの熱波の定義では、心臓病のリスクを過小評価していた可能性がある」という点です。
以下は心臓を守るための具体的なアドバイスです:
- 夜間の室温にも注意を
→ 夜間の熱波もリスクを高めるため、エアコンの活用や風通しの工夫が大切です。 - 暑い日は無理をしない
→ 暑さが続くときは、運動や外出を控え、冷房のある環境で過ごしましょう。 - 心臓病の持病がある方は、特に用心を
→ 突然の心停止(SCA)や心不全、心筋梗塞のリスクが特に高いことが判明しています。 - 「高齢者は涼しいと思っても注意」
→ 感覚が鈍くなりやすい高齢者ほど、周囲の声かけが命を守る鍵になります。 - 気象情報を活用する
→ 熱波警戒情報をこまめにチェックし、生活パターンを柔軟に変えることが重要です。
まとめ:地球温暖化の時代に、命を守る新しい視点を
これからの時代、熱波は「夏の風物詩」ではなく「命の脅威」として捉える必要があります。
今回の研究は、従来の“単純な定義”では測れなかったリスクを科学的に可視化しました。
心臓に負担をかけない生活習慣や住環境の整備、そして暑さへの正しい知識が、命を守る第一歩です。
どうぞこの夏から、意識を変えてみてください。
出典
Yu X, Liu J, Yin P, et al. Nonlinear Relation Between Cardiac Mortality and Excess Temperature in Heatwaves: Exposure Response in 2.39 Million Patients. J Am Coll Cardiol. 2025;85(13):1417–1418. https://doi.org/10.1016/j.jacc.2025.01.034
