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LDLコレステロールだけでは分からない?Lp(a)と動脈硬化・心筋梗塞の最新研究
心筋梗塞の隠れた危険因子「Lp(a)」とは?一生に一度は測定したい血液検査
健康診断で「LDLコレステロールはそれほど高くないから大丈夫」と
安心している方は多いのではないでしょうか。
ところが、一般的なコレステロール検査だけでは見つけにくい、
遺伝的な心血管リスクがあることが分かってきています。
その代表が**リポ蛋白(a):Lp(a)[エルピー・リトル・エー]**です。
Lp(a)はLDL、いわゆる悪玉コレステロールに似た粒子ですが、
その血中濃度は生活習慣よりも遺伝による影響を強く受けます。
2026年に発表された大規模研究では、成人23,654人を調査した結果、
Lp(a)高値と動脈硬化性心血管疾患との明確な関連が示されました。
【Lp(a)とは?遺伝で決まりやすい「もう一つのコレステロールリスク」】
Lp(a)はコレステロールを運ぶ粒子の一つですが、通常のLDLとは異なり、
血液検査の「LDLコレステロール値」だけでは十分に評価できません。
大きな特徴は、血中濃度の90%以上が遺伝的に決まると
考えられていることです。食事や運動だけでは大きく変化しません。
そのため、痩せていて運動習慣があり、LDLコレステロールが低くても、
Lp(a)が高いという方は一定数存在します。
現在の欧州の考え方では、Lp(a)は約62nmol/L付近から心血管リスクが
高まり始め、105nmol/L以上ではその影響がより明確になるとされています。
今回の23,654人の研究では、Lp(a)が62nmol/L未満だった人は78.0%、
62~105nmol/L未満が5.8%、105nmol/L以上が16.2%でした。
つまり、この集団では約6人に1人が105nmol/L以上だったことになります。
一般的な脂質検査とLp(a)との相関は弱く、研究でもLDLコレステロール、
体格、年齢などとの関連はいずれも小さいことが確認されました。
これは言い換えると、通常のコレステロール検査だけでは、
Lp(a)がもたらすリスクを見逃す可能性があるということです。
【Lp(a)高値で動脈硬化・冠動脈疾患・心筋梗塞リスクが上昇】
今回特に注目されたのが、Lp(a)高値と心臓の血管の病気との関連です。
Lp(a)が105nmol/L以上の人では、62nmol/L未満の人と比較して、
動脈硬化性心血管疾患との関連が約1.48倍認められました。
さらに冠動脈疾患では約1.72倍、過去の心筋梗塞では
約4.11倍という強い関連が確認されています。
ただし、心筋梗塞は解析対象となった症例数が少なかったため、
「4倍」という数字については慎重に解釈する必要があります。
一方、非常に重要なのが、LDLコレステロールが70mg/dL未満でも、
Lp(a)と動脈硬化性心血管疾患との関連が残っていたことです。
つまり「LDLを十分下げたからリスクはゼロ」とは限りません。
こうした通常の治療を行っても残る危険性は「残余リスク」と呼ばれ、
Lp(a)はその重要な原因の一つとして注目されています。
なお今回の研究では、脳卒中・一過性脳虚血発作(TIA)との
独立した関連は確認されませんでした。
ただし研究者らは、Lp(a)と脳卒中との関係は病型によって異なり、
特に大血管の動脈硬化による脳梗塞との関連が考えられると説明しています。
【Lp(a)は一生に一度測定を|誰に検査がおすすめ?】
Lp(a)は遺伝的に決まりやすく、生涯を通して比較的安定しています。
そのため現在のガイドラインでは、すべての成人が少なくとも一生に一度、
Lp(a)を測定することが推奨されています。
特に検査を考えたいのは、家族に若くして心筋梗塞を起こした人がいる方、
LDLがそれほど高くないのに冠動脈疾患を起こした方などです。
また、家族性高コレステロール血症が疑われる方や、スタチンなどで
LDLを十分下げても心血管リスクが高い方でも重要な検査です。
なお、Lp(a)には「mg/dL」と「nmol/L」という2種類の単位があります。
両者は粒子の大きさなどの影響を受けるため、単純な固定係数を使って
正確に換算することは推奨されていません。
今回の研究は非常に大規模ですが、ポーランドの民間医療ネットワークを
受診した人を対象にした後ろ向き研究である点には注意が必要です。
また一時点の病気との「関連」を調べた研究であり、Lp(a)が将来の病気を
何%予測するかを直接証明した研究ではありません。
それでも、通常のLDLコレステロールとは異なる情報が得られることから、
Lp(a)を総合的な脂質評価に加える重要性を支持する結果といえます。
よくある質問 Q&A
Q.Lp(a)が高いのは食生活が悪いからですか?
A.基本的には違います。Lp(a)の値は90%以上が遺伝的に決まるとされ、
生活習慣だけでは大きく変化しにくいのが特徴です。
Q.LDLコレステロールが正常なら測らなくてもよいですか?
A.必ずしもそうではありません。今回の研究ではLDLが70mg/dL未満でも、
高いLp(a)と動脈硬化性心血管疾患との関連が残っていました。
Q.Lp(a)は毎年測定する必要がありますか?
A.多くの場合、まずは成人になって一度測定することが基本です。
遺伝的に決まりやすく、比較的安定した値だからです。
Q.Lp(a)が高かったら、すぐ心筋梗塞になりますか?
A.いいえ。Lp(a)はリスク因子の一つです。血圧、糖尿病、喫煙、LDL、
家族歴などを含め、全体の動脈硬化リスクを評価することが重要です。
シーサー通り内科リハビリクリニックから
那覇市のシーサー通り内科リハビリクリニックでは、
脂質異常症・高血圧・糖尿病など動脈硬化につながる病気を診療しています。
「コレステロールはそれほど高くないのに家族に心筋梗塞が多い」
「若くして心筋梗塞・脳梗塞を起こした家族がいる」といった場合には、
LDLだけでなくLp(a)を含めた詳しい脂質評価が役立つことがあります。
また家族性高コレステロール血症など、遺伝性の脂質異常症についても、
患者さん一人ひとりのリスクに合わせた評価と治療をご提案します。
那覇市・浦添市・沖縄県でコレステロールや動脈硬化、
心筋梗塞・脳梗塞の予防について気になる方はお気軽にご相談ください。
引用・参考文献
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Distribution of lipoprotein(a) and its association with atherosclerotic
cardiovascular disease in a large real-world Polish cohort.
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DOI: 10.1016/j.jacl.2026.07.026
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